人としての正しさ
この点数は人柄の評定ではありません。上の端にいる人が、項目の尋ねないところで身勝手なこともあります。下の端にいる人が、約束やお金についてはむしろ人一倍きちんとしていることもあります。尺度が見ているのは、望みを通すときに正面の戸から入るかどうかという一つの癖だけです。
実直さが数えているのは、人と向き合うときに使う経路です。項目が尋ねるのは、褒め言葉を持ち上げの道具として使うか、通りのいい理由を先に出して本当の理由は手元に残すか、都合よく切り取った事実がふつうの道具に見えるか。点数が高いというのは、口にした理由がそのまま本当の理由だ、ということです。
英語ではこの尺度に道徳という名前が付いていて、初めて見た人はまず読み違えます。研究で使われるのは率直さ(Straightforwardness)のほうで、こちらが中身に合っています。扱うのは人との接し方の率直さで、良心でも価値観でも行いでもありません。
反対の端には固有の腕前があります。場を読むこと、手札を切る値打ちが出るまで伏せておくこと、頼みごとを受け入れやすい形に整えること。交渉と外交はこの三つで回っています。尺度があなたを置くのは、まっすぐ通す側と、うまく通す側のあいだのどこかです。
研究の論文でこの尺度に付く名前はふつう率直さ(Straightforwardness)で、古い書き方では誠実や実直という語が同じ地面を指します。ここで使う文はジョンソンが公開したIPIPの項目で、市販の質問紙とは関わりがありません。
名前から思い浮かぶものと、この尺度が実際に触っているものはずれます。近くに立つ三つを先に外しておくと、点数の読み方を間違えません。
この点数は人柄の評定ではありません。上の端にいる人が、項目の尋ねないところで身勝手なこともあります。下の端にいる人が、約束やお金についてはむしろ人一倍きちんとしていることもあります。尺度が見ているのは、望みを通すときに正面の戸から入るかどうかという一つの癖だけです。
違う因子どうしのファセットの組は360通りありますが、その中でいちばん近いのがこの一組で、0.69で並びます。それでも尋ねている中身は別です。責任感が見るのは、引き受けた約束が果たされるかどうか。実直さが見るのは、目の前の相手に対して選ぶ経路のほうです。
思っていることを言うのと、思っていることを全部言うのは別です。このファセットは譲り合いと0.58で同じ向きに歩き、自己主張とはマイナス0.21でわずかに離れます。点数が高い人は、人前で相手の間違いを正して回る側にはまずいません。
どちらの端も、付き合う相手として優れているわけではありません。それぞれ買っているものがあって、それぞれ請求書が届きます。
あなたは自分の理由を机の上に出して、そのまま置いておきます。相手はあなたを読み解かずに済むので、話は早くまとまります。請求が来るのは、ほかの全員が手札を伏せている場です。最初から本当の数字を出すので、そのまま渡した立場がこちらへ向けて使われることがあります。
まっすぐに言う。裏で手を回すより、そのまま伝えるほうが自分にも相手にも楽だと考えている。
口に出す前に、それがどう着地するかをあなたは考えます。手札は、切って値打ちが出るときまで手元に残します。交渉と外交が使う道具一式がこれで、全部見せると高くつく場面ではあなたを守ります。請求は遅れて届き、もう一枚あると感じ取った相手は腰を落ち着けるまで時間がかかります。
目的のためなら、話の運び方を工夫する。駆け引きは、生きるための技術だと思っている。
真ん中の帯にいるのは十人のうち四人ほどで、この位置はよく働きます。重いことについてはまっすぐ言い、残りは角を落として渡すので、本当のことは届かないのではなく、尖りを削られた形で届きます。
低い・平均・高いの三つの帯は、ジョンソンの使う30/40/30というパーセンタイルの区切りに沿っていて、正直さの合格線ではありません。この尺度に行いを調べる力はなく、話された中身が本当かどうかも確かめられません。
答えは十個あって、一つずつ1点から5点。だから素点は10点から50点に入ります。下の曲線のもとは、長い版を最後まで終えた135,947件のプロフィールです。平均は37.5点で、この尺度は目盛りの高いほうに寄って立っています。
| パーセンタイル | 素点 |
|---|---|
| 10 | 29 |
| 25 | 34 |
| 50 | 39 |
| 75 | 43 |
| 90 | 46 |
男性は半分が32点から41点、女性は半分が36点から44点に落ちます。幅が狭いぶん二点が遠くまで効いて、37点は男性なら53パーセンタイル、女性なら35パーセンタイルです。パーセンタイルが比べる相手は、同じ性別と年代でこの診断を終えた人たちです。
集団の平均には差が出ます。向きは両方の性別で同じで、年齢を重ねるほど同じほうへ動き続けます。
女性の平均は38.6点、男性は35.9点。40点の幅に対して2.75点の開きで、三十のファセットのうち八番目に大きい性差です。年齢はもっと動かします。男性は21歳未満の34.8点から60歳超の38.7点へ、女性は37.4点から41.4点へ。上がり方は四つの年代すべてで途切れません。ただし60歳超の区画は男女それぞれ約250人で、端は薄めです。
協調性は六つの別々の癖で、実直さはその中で変わった付き合いをしています。モデル全体でいちばん近い相手は、誠実性の側にいる責任感の0.69。因子の内側でいちばん近いのは譲り合いの0.58で、いちばん遠いのは信頼の0.31です。
仕事では、上の端は当てにできる見積もりとして出ます。締め切りが無理なら、六週目ではなく最初の打ち合わせでそう聞こえます。同じ人が自分の昇進の話になると急に下手になるのは、その話に包装が要るのに、その包装をやらないからです。下の端はそのぶん場を動かし、判を押す人に合わせて案の見せ方を変えます。
近しい相手との時間は、二つの端の混ぜ合わせで回ります。点数の高い人といると休まるのは、何も操作されていないからです。言われたことがそのまま思っていることで、裏を読む仕事が要りません。代わりに払うのは間合いです。低い人は編集した版で相手を守り、それは編集に気づかれるまで持ちます。
伸びしろの話をするとき、もっと正直になるという方向は少し的を外します。項目が尋ねているのは正直さそのものではないからです。上の端に残っているのは見せ方の余地で、間合いと言葉選びは操作ではありません。下の端に残っているのは範囲の話です。商談をまとめる耳のよさは、そもそも交渉ではなかった間柄を少しずつ削ります。
受け継いだ分はどのくらいか。ビッグファイブの特性を双子で調べた研究は、人と人の違いのおよそ半分を遺伝の側に置きます。残りの多くは、同じ家で育ったきょうだいでも分け合っていない出来事です。動く余地は本物ですが動きはゆっくりで、十年たっても人の並び順はほとんど入れ替わりません。
この尺度は静かに上へ向かいます。私たちの基準表では、男女どちらでも四つの年代すべてで上がり方が途切れません。三十のうち上がり方の急な四つは誠実性のもので、実直さは六番目に来ます。ただし数字が並べているのは年齢の違う別々の人たちなので、この傾きは集団のもので、あなた一人の予定表ではありません。
長い版は実直さを10の文で測り、短い版は4つで測ります。十のうち八つは駆け引きの側から書かれていて、逆向きの項目の数はテストのどのファセットより多く、短い版では四つとも逆向きです。答えは1点から5点、逆向きの項目は向きを戻してから足し、その合計を性別と年代の基準表に当ててパーセンタイルにします。
アルファは同じ尺度の項目がどれだけ揃っているかを示します。研究では0.70以上が安定とされます。この数値はジョンソンの公開データから自分たちで計算したので、公表値と照らし合わせられます。
十の文はこのページに並べていません。先に読んでから答えると答えのほうが寄りますし、この尺度は多くの項目が誘惑の側の動きを書いているので、その寄りがふだんより大きく出ます。
質問紙が何か言う前に、自分の見当を下の線に置いてください。そのあとで診断を受けて、二つを並べます。差のほうが面白い数字になることはよくあります。
0はこの診断を受けたほとんどの人より低い、100はほとんどの人より高い、という意味です。
これは予想であって、測定ではありません。診断は、回答を実際の人の基準データと比べます。
いいえ。この尺度が聞いているのは人の動かし方であって、規則を破るかどうかではありません。点数の低い人は、おだてを使える、情報を手元に残せる、頼みごとを通りやすい形にできる、と自分について答えています。そのどれも嘘ではありませんし、質問紙に嘘を捕まえる力もありません。
良い点数はありません。上の端は分かりやすさを買い、交渉の余地で払います。下の端は動ける幅を買い、相手が腰を落ち着けるまでの時間で払います。どちらの型も良い人生を回していて、意味のある読み方はプロフィール全体から出てきます。
違う因子から来る組としては全データで最も近い一組で、0.69で並びます。それでも測っている中身は別です。責任感が聞くのは、引き受けた義務が果たされるかどうか。実直さが聞くのは、目の前の相手をどう扱うかです。どちらも、静かな例外で回していない暮らしを描きます。
女性の平均は38.6点、男性は35.9点。40点の幅に対して2.75点の差で、三十のファセットのうち八番目に大きい性差です。分けているのは集団の平均であって、目の前の二人ではありません。理由はまだ議論の途中で、答え方の癖、育ち方、役割への期待などが挙がります。
自己申告なので簡単です。十の文のうち八つが誘惑の側の動きを書いているので、全部に「そう思わない」と答えれば一分ほどで上の点が出ます。ただし手に入るのは、なりたい自分を説明するパーセンタイルです。一人のときに、書き直さず、速く答えてください。
ジョンソンが公開したデータで内的一貫性を測った結果は、10項目版が0.79、4項目版が0.75でした。使えますが控えめな数字で、これはこの因子ぜんぶに広がる傾向です。協調性のファセットは、テストの中で内側のまとまりがいちばん弱い一群です。