怒り(N2)
自分の因子の外でこの尺度が持つ最も強い結びつきは、怒りとのマイナス0.52です。協調性と神経症傾向のあいだの36通りの中で、いちばん離れた一組でもあります。それでも二つは別の問いのままです。怒りは熱の上がる速さ、こちらは、もう起きた衝突をどう扱うかを見ています。
譲り合いが記録するのは、二つの都合が両立しないときに何をするかです。10の文が回っているのは、言い争い、相手の気を悪くさせること、受けた仕打ちを数え続けること。そのうち7つは特性と反対向きに書かれていて、高い点数の大部分は起こらなかった摩擦から組み上がります。ここでの高さは勝った回数ではなく、戦いにしなかった回数です。
このファセットが住んでいるのは、周りの人をどう扱うかを集めた協調性です。残り五つをまとめたものとの相関は0.65で、この家族の中でいちばん高い数字になります。利他性が0.64、謙虚さは0.26。因子の点数に一つの尺度でいちばん近いのがここです。内側で最も近い姉妹は実直さの0.58。
点数が描くのはその日の気分ではなく、既定の設定です。病院の受付には誰でも従い、間違って届いた請求には誰でも抗議します。この尺度が拾うのは何にも強制されていない普通の場面で、その設定は一生のあいだにゆっくり上へ動き、最年長の層は最年少の層より4点から5点ほど高い位置にいます。
研究用の質問紙では、同じ領域はたいてい従順さ(compliance)と呼ばれ、その遠い端は対決的なスタイルとして書かれます。ここで使う10の文はジョンソンが公開した自由利用のプールのもので、市販の質問紙の文面ではありません。
どれもこの尺度の隣に立っていて、取り違えたまま読むと同じ数字が別の意味に化けます。三つとも数のうえでは近く、問いとしては別です。
自分の因子の外でこの尺度が持つ最も強い結びつきは、怒りとのマイナス0.52です。協調性と神経症傾向のあいだの36通りの中で、いちばん離れた一組でもあります。それでも二つは別の問いのままです。怒りは熱の上がる速さ、こちらは、もう起きた衝突をどう扱うかを見ています。
0.58でいちばん近い姉妹で、二つはまとめて「いい人」の一言に畳まれがちです。実直さは正面から扱うこと、へつらわず、人の頭越しに回らないこと。譲り合いは戦いにしないこと。相手の立ち位置をその場で言ってしまう人は、前者で高く、後者で低く出ます。
まず結論から言うと、芯がないという意味ではありません。譲るという名前はそれだけで弱さのように響きますが、数字はその読み替えを支えません。自己主張との重なりはマイナス0.30しかなく、同じ相手に謙虚さはマイナス0.57で並びます。計画を口に出すことと、その計画のために戦うことは別の仕事です。
どちらの端が付き合いやすいということはありません。片方は関係を先に守り、もう片方は立場を先に守ります。働く集団には両方が要ります。
全員が生きていける案を見つけ、しかも早く見つけます。たいていは相手が気づく前です。部屋の空気はそのぶんほどけます。代金は後から静かに届きます。抵抗に出会ったことのない人たちは、あなたが賛成したのか黙っただけなのかを確かめなくなります。
対立をなるべく作らない。角が立つ前に譲れるが、譲りすぎて自分の分がなくなっていないか、ときどき確かめたい。
どうせいつか言うことになる話を、まだ小さいうちに言います。あなたがどこに立っているかを誰も推測せずに済み、何か月も地下に潜るはずだった面倒が、気まずい十分で終わります。ただし、登る値打ちのなかった丘も混じります。
意見が違えば、そのまま出す。ぶつかることを避けるよりはっきりさせたいし、議論のあとに関係が壊れるとは思っていない。
十人に四人が中間の帯に入り、そこは実務的な場所です。摩擦は見合う賭け金があるところで使われ、ないところでは飛ばされます。日程では曲げ、中身では動かない、という使い分けです。
低い・平均・高いの帯は、ジョンソンがこの基準で使う30/40/30の区切りです。どちらの端も人柄の判定ではありません。記録しているのは利害の衝突がどう扱われたかで、扱った人が正しかったかどうかではありません。
10の答えが10点から50点の素点になります。下の曲線は長い版を最後まで終えた135,947件から作りました。男女の位置は、この因子の六つのうち四つより近くに並んでいます。
| パーセンタイル | 素点 |
|---|---|
| 10 | 25 |
| 25 | 30 |
| 50 | 35 |
| 75 | 40 |
| 90 | 43 |
プロフィールの半分は30点から39点のあいだに入ります。素点34点は、男性ならおよそ52パーセンタイル、女性なら41パーセンタイル。高い帯が開くのは男性の38点、女性の40点からです。パーセンタイルが比べているのは、同じ性別と年齢層でこの診断を受けた人たちです。
二つの比較のうち、片方はほとんど何も動かしません。もう片方は、この診断の中でも急なほうの年齢差です。
女性の平均は35.0点、男性は33.3点。差は40点の幅の上で1.7点しかなく、この因子の六つの中では信頼に次いで二番目に狭い差です。年齢のほうはずっと大きく動かします。男性は21歳未満の32.2点から60歳を超える35.8点へ、女性は33.9点から38.6点へ。女性の4.7点は、この因子でいちばん急な上がり方です。最年長の区画には性別ごとに約250人が入っています。
協調性は一つの習慣ではなく六つで、その集まりを最もよく代表するのがこの習慣です。残り五つをまとめたものとの相関は0.65。内側では実直さが0.58で最も近く、次に利他性0.47、思いやり0.44、信頼0.42、謙虚さ0.32。因子の外でいちばん強い引きは責任感の0.44です。
職場では、問い返される決定と、うなずいて通る決定の差になって出ます。高い点数の人は会議を穏やかに保ち、持ち出すほうが高くつく小さな不公平は飲み込みます。何か言うべき週が来るまでは、いっしょに働きやすい相手です。低い点数の人がいるおかげで、筋の悪い計画は本番ではなくその部屋で死にます。
近い関係では、この因子のどの尺度よりもここが効きます。高い人は温度を低いところに保ちますが、危うさは見えない側で積み上がります。誰も確かめないままの取り決め、口に出されなかった好み、そして、あの旅行は最初から望まれていなかったと三年後に知る相手。低い人のいる家では、不満が新しいうちに床へ出ます。
高い端にある課題は、戦えるようになることではありません。はいという返事が、その後ろの考えより先に口から出た瞬間に気づけるかどうかです。たまった請求書はその隙間から来ます。低い端では、伸びしろは時機のほうにあります。反論そのものはたいてい筋が通っていて、同じ内容を一時間後に半分の語数で言えば、代金はほとんどかかりません。
生まれつきの分け前がどれくらいかという問いに、行動遺伝学はだいたい同じ答えを返してきました。ビッグファイブで人が分かれる幅の半分近くは受け継いだ違いに、残りの大半は、兄弟姉妹でさえ共有しない出来事に割り当てられます。動く余地は残っていますが、人の並び順は十年をまたいでもほとんど組み替わりません。
この尺度は、その中では動くほうです。協調性は大人になってから上へ流れていき、研究ではこれを成熟の原理と呼びます。その上りの大部分を運んでいるのが、譲り合いと実直さの二つです。最年少の層と最年長の層の差は3点から5点、利他性ではおよそ1点。基準表が比べているのは年齢の違う別々の人たちなので、傾きは集団の傾向です。
300項目版では譲り合いを10の文が測り、120項目版では4つです。10のうち7つは特性と反対向きで、これより多いのは実直さだけ、同数の尺度がほかに二つあります。短い版では4つとも逆向きです。逆向きの答えは合計の前に向きを戻し、出た数字を性別と年齢層の基準表と照らします。
アルファは同じ尺度の項目がどれだけ揃っているかを示します。研究では0.70以上が安定とされます。この数値はジョンソンの公開データから自分たちで計算したので、公表値と照らし合わせられます。
文そのものはこのページには載せていません。何を見ている尺度かが先に分かってしまうと選ぶ答えが変わるので、言い回しが出てくるのは診断が始まってからです。
ほかの人と比べてどのあたりに立っていると思うか、目盛りを先に置いてから10の文に答えて、見当がどれだけ外れたかを見てください。この尺度は30の中では真ん中あたりの高さです。
0はこの診断を受けたほとんどの人より低い、100はほとんどの人より高い、という意味です。
これは予想であって、測定ではありません。診断は、回答を実際の人の基準データと比べます。
それだけでは決まりません。数えているのは食い違いをどれだけ表に出すかで、表に出た食い違いは、高くつくのと同じくらい役に立ちます。低い人のところには問題が早く届きます。高くつくのは、低い点数の隣に怒りの高さが並んだときです。
そういう点数はありません。高い点数は静けさを買い、言われないままになった事柄で払います。低い点数は見通しを買い、摩擦で払います。十人に四人が立つ中間の帯は、折衷というよりスイッチです。安いところでは譲り、そうでないところでは動かない。
戦わないことを尋ねるいちばん安い方法が、戦うことを尋ねることだからです。長い版では10のうち7つが譲り合いから離れる向き、短い版では4つとも。この作りの尺度は30のうち四つだけです。何にでも賛成していくと、点数は上がらず下へ動きます。
協調性が因子で、譲り合いはその六つの一つ、しかも全体にいちばん近い一つです。残り五つをまとめたものとの相関は0.65。それでも離れることはあり、すぐ道をゆずる一方で誰も信用しない人は、因子の合計では中間の帯に落ちます。
少しだけです。女性の平均は35.0点、男性は33.3点、差は40点の幅の上の1.7点。この因子の六つの中では信頼に次いで二番目に狭い差です。この種の数字が説明するのは集団の平均どうしの関係で、目の前の一人については何も予測しません。
ジョンソンの公開データで計算したアルファは、10項目版で0.77、4項目版で0.71です。どちらも使える値ですが、この診断の中では低いほうで、30の尺度でこれより下は活動性だけ。文が少ないぶん短い版のほうが揺れます。